「喘 息(ぜんそく)」(2015 / 11/11)
風邪やインフルエンザの季節になりましたので、今回は注意したい喘息についてのお話です。
病歴をうかがうと喘息があった、とおっしゃる方がそれなりにいらっしゃいますが、 症状が消失(寛解)した小児喘息患者(小児喘息の50~70%) のうち、30%弱が成人になって再発するといわれていますのでご注意ください。
一方、小児期に喘息がなく、成人になって初めて症状が出る成人発症型の喘息は、成人の喘息全体の70~80%を占め、そのうち40~60歳代の発症が60%以上を占めています。 成人喘息の有病率に関してですが、厚生労働省研究班の全国調査によると、5.4%、なかでも20歳~44歳では9.4%とされています。
喘息により持続する気道炎症が気道障害とそれに引き続く気道構造の変化(リモデリング・remodelingといいます)を引き起こし非可逆性の気流制限をもたらすため、気道炎症を抑えるために薬の継続使用を忘れないようにすべきだとされています。
- ポイント
- 最近、増加傾向にある風邪は喘息の悪化因子であり、風邪を契機に喘息が悪化することもありますので、引かないよう十分にご注意ください。
また、前日と比較して3℃以上の気温の低下は喘息症状の悪化・発作の原因になるとの報告もあります。 喘息をお持ちの方は放置したままにせずに、是非、ご相談ください。
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