今回のコラム「軽度認知障害(MCI)スクリーニング検査」(2016 / 07/12)
軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)スクリーニング検査のお話しです。

約10年後の2025年、65歳以上の高齢者のうち認知症は約700万人(5人に1人)に増加すると予測されています。さらに、認知症の予備軍とされる軽度認知障害(MCI)の人は認知症の人と同数程度いるとも言われており認知症対策は緊急の課題の一つといえます。
現在、認知症の症状の進行を一定期間防ぐ薬はあるものの、根本的な治療薬はまだありません。大切なのは発症してからの治療ではなく、発症を予防することです。
MCIとは、健常者と認知症の中間の段階をさします。
日常生活にはさしたる支障はありませんが、そのまま過ごすと約5年間でその半数以上が認知症に進行すると言われています。
最近の研究では、MCIの段階で適切な予防や治療を行えば認知症の発症を防いだり遅らせたりできることが分かっています。
認知症の中でも最も多いアルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)は、発症の約20年前から主な原因物質であるアミロイドβペプチドが脳内に溜まり始め、神経細胞が破壊されることで認知機能が少しずつ低下していきます。
MCIスクリーニング検査
MCIスクリーニング検査は、アルツハイマー病の前段階であるMCIのリスクを測定する血液検査です。この検査では、アミロイドβペプチドを排除する機能を持つ血液中の3つのタンパク質を調べることでMCIのリスクを判定します。
- 次のようなことが気になる方にお勧め
- 最近、物忘れが増えてきた・・・
- 肥満や糖尿病など生活習慣病の心配がある・・・
- 親や家族の様子が少し変わった気がする・・・
健康な方でも、高齢になるにつれて認知症やMCIのリスクは高まります。
検査結果に拘わらず糖尿病などの生活習慣病にならないよう生活習慣を改善するなど認知症の予防に取り組みましょう。
認知症は生活習慣病ともいえます。元気な時にこそ、生活習慣を改善することで認知症やその他の病気にならないような体づくりをしましょう。
- 検査は採血のみです。
定期的に検査を受けることで、早い段階で変化に気付くことが可能です。 - 判定結果は、リスクに応じてA~Dの4段階で表示されます。
- 本検査は健康保険の適応外ですので、健康診断と同様、自費となります。
- 1回の検査費用は、¥24,000(税込)です。
検査をご希望の方は是非、お問い合わせください。
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