「熱中症」2018/07/29
今回は熱中症に関するおはなしです。
連日の記録的な猛暑、熱中症が話題になることが多い毎日です。
熱中症は脱水やうつ熱が根本の原因となり発症します。
暑さへの馴化には1週間以上を要することもあり、夏期の急激に熱くなった時が危険で熱中症の事故が増えます。
重症型熱中症の死亡率は30%以上と高く、死亡者の2/3はほとんど何も自覚症状を訴えていないため、予防することが何よりも大切です。
今回は日本救急医学会から出された熱中症予防に関する緊急提言を中心にご紹介します。
- 日本救急医学会は最近、次の4つの提言を発表しました。
- 暑さ指数 ( 下記 ) を意識した生活を心がけ、運動や作業中止の適切な判断を
- 水分・塩分(水だけではriskあり)をこまめに摂取し、おかしいなと思ったらすぐに涼しい場所に移し身体の冷却を
- 適切な熱中症重症度判断と応急処置を、改善がなければすぐに医療機関受診を
- 周囲にいるもの同士、お互いに注意をし合う
- 暑さ指数(熱中症指数)-WBGT(Wet Bulb Globe Temperature)とは
気温:湿度:輻射熱の占める割合が 1:7:2であることから、これにより気温だけでなく湿度・輻射熱を考慮した判断が可能となります。
この暑さ指数を意識した生活指導が必須でこれを用いた屋外活動の可否判断が非常に重要です。
但し、暑さ指数にかかわらず、小児の特徴から熱中症は小児で容易に起ることを認識しておくことも重要です。
なお、市販のWBGT計は、風速が仮定されているため風のほとんどない場合、WBGTの値は低く評価されることに十分に留意する必要があります。
※環境省ハンドブックより引用
WBGTが 31℃以上(危険)の場合
原則的にすべての授業での運動や課外活動を中止するのが望ましい。また、屋内であっても空調のない部屋での活動は避ける。
WBGTが 28~31℃(厳重警戒)の場合
上記と同様にすべての授業での運動や課外活動を中止するのが望ましい。 やむを得ない場合は、十分な準備のもとで競技実施を検討するが、その際も20~30分程度の間隔での頻繁な水分・塩分補給と休憩を義務化する。
WBGTが 21~25℃(注意)・25~28℃(警戒)の場合
上記と同様に20~30分程度の間隔での頻繁な水分・塩分補給と休憩を義務化したうえで屋外活動を実施する。
- 体調のチェックに関して
少しボーっとしていたり、息が荒く呼吸回数が多い、脈が速い、などの兆候を認めた場合は注意が必要です。
熱中症の症状は多岐にわたり、初期は非常に診断が難しいので、屋外活動中の学生や児童が体調不良を訴える場合は、すべて熱中症の可能性があると考えるべきです。
特に低学年児童では自分の体調をうまく言葉で表現できない点にも注意が必要です。
めまい、顔面の紅潮、大量の発汗、筋肉痛、足のつりなどが出現したら、冷所で安静にし、少しでも早くとにかく体表 ( 特に首筋、腋の下、太腿の付け根 ) を冷やして体温を下げ、水分と塩分の補給を。”いつもと様子が違う”と感じた時点で熱中症の初期症状と判断し迅速に対処することが大切です。
- 適切な重症度判断と応急処置を行い、改善がなければすぐに医療機関へ
意識がない場合、水分を自力で摂取できない ( 自身で手に飲料水を保持して、自分自身で飲水できない ) 場合、水分を自力で摂取しても十分に体調が回復しない場合は救急搬送を要請してください。
頭痛・嘔吐・倦怠感・集中力や判断力低下、意識障害・けいれんなどの症状出現時はすぐに救急搬送を含めて医療機関を受診してください。
5分程度ですべての症状がなくなったかが回復の目安ですが、自覚症状がなくても全身の体熱感が残っている場合にも救急搬送を要請してください。
まとめですが、以下のフローチャートの手順で熱中症に対処してください。
http://www.wbgt.env.go.jp/heatillness_checksheet.php
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